子実コーン・プロジェクト
農畜自給率向上協会、子実コーン複数年契約買取プロジェクト
中四国子実コーン生産組合「子実とうもろこしプロジェクト」概要
1. プロジェクト背景(危機に瀕する日本の農畜産業)
現在、日本の農畜産業はこれまでにない歴史的な「存続の危機」に直面しています。
2020年の新型コロナウイルスパンデミックに始まり、2022年のロシア・ウクライナ紛争、急
激な円安の進行、そして世界的なインフレの波が日本の畜産業界を直撃しました。日本の
畜産業は家畜飼料の大部分を海外からの輸入に依存しているため、2022年頃から飼料
価格が異常に高騰。生産コストが跳ね上がり、多くの畜産農家が経営難に追い込まれる壊
滅的な危機が続いています。
一方で、日本の主食である水稲(お米)生産も激しい動揺の中にあります。2025年には深
刻な「米不足」が社会問題となったものの、翌2026年産になると一転して米が過剰となり、
価格が半値近くまで暴落するという極端な市場の乱高下が発生しました。さらに、昭和45
年から半世紀以上続いてきた国の「減反政策」も形骸化し、後継者不足による生産者の減
少に歯止めがかからないなど、日本の農政そのものが大きな転換期を迎えています。
2. プロジェクト発足の経緯
「同じ農家として、困っている時はお互い様だ」
2022年春、飼料高騰にあえぐ畜産農家の窮状を見かねた四国の水稲農家たちが、この未
曾有の危機を救うために立ち上がりました。お米の需要減少や価格暴落に悩む水稲農家
と、輸入飼料の高騰に苦しむ畜産農家。双方の課題を同時に解決する一石二鳥の策とし
て、水稲の「転作田」を活用した国内産飼料用とうもろこし「子実(しじつ)とうもろこし」の生
産プロジェクトが始動しました。
3. 中四国子実コーン生産組合の目的と活動内容
本プロジェクトを組織的かつ持続可能な取り組みとするため、四国(香川県、徳島県、愛媛
県)の農業生産者および農業関係者団体が中心となり、任意団体『中四国子実コーン生産
組合』を設立しました。
当組合は、参加する生産者や関係者が相互に親睦を深め、強固な連携体制を築きなが
ら、以下の業務を円滑に推進・運営することを目的としています。
生産・技術向上の支援: 転作田における子実とうもろこしの栽培技術の確立、安定
多収収穫に向けた技術指導や情報交換。
販売・流通の準備と運営: 収穫された子実とうもろこしを、地域の畜産農家へ安定
的に供給するための流通ルート開拓、乾燥・調製施設の確保、販売管理。
組織の円滑な運営と親睦: 参加農家や関係団体が一体となり、地域ぐるみでプロ
ジェクトを発展させるためのコミュニティ形成。
4. プロジェクトがもたらす価値(期待される効果)
本プロジェクトは、単なる一過性の救援策ではなく、日本の農業の未来を変える以下の社
会的価値を持っています。
畜産農家の経営安定: 為替や国際情勢に左右されない「国産飼料」を確保し、飼
料コストの低減と安定供給を実現します。
耕種農家(水稲農家)の所得確保: 米価暴落や減反に影響されない、転作田を活
用した新たな高収益作物の柱を確立します。
地域内循環(耕畜連携)の創出: 四国地域の中で「作る農家(耕種)」と「使う農家
(畜産)」が繋がり、地域経済の循環を生み出します。
食料自給率の向上: 危機的な状況にある日本の飼料自給率および食料自給率の
向上へ直接的に貢献します。
5. 今後の展望
中四国子実コーン生産組合は、香川・徳島・愛媛の3県から四国全域、さらには中四国エリ
アへとこの「お互い様の輪」を広げていきます。気候変動や国際情勢の不確実性が増す時
代において、日本の大地で育った飼料で日本の家畜を育てる「持続可能な農畜産業モデ
ル」を四国の地から確立し、次世代へ豊かな日本の食を繋いでまいります。
